私に触れて、そして殺して


三吉さんはキッチンにいる
至れり尽くせり状態は申し訳なく
土鍋を洗おうとしたら
三吉さんに怒られてしまった



「少し良くなったと思って動いたら、ぶり返しちゃうから寝てて」


その言葉に甘えてしまう
三吉さんが隣人でよかったと思う
もし、あのままだったら
私は自殺をしていたかもしれない



「福原さん、これからのことなんだけど…」


自分用のご飯を手に
三吉さんはローテーブルの前に座った
ベットで寝ている私と変わらない目線

三吉さんが何を話すか、正直怖い
でも、いつまでも
三吉さんに甘えるわけにはいかない


「まず、警察に届けない?福原さんは被害者だ。それを無かったことにすると、相手は罪の意識も持たないまま、これからも普通の暮らしをしていくだろう」

< 28 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop