私に触れて、そして殺して
三吉さんはキッチンにいる
至れり尽くせり状態は申し訳なく
土鍋を洗おうとしたら
三吉さんに怒られてしまった
「少し良くなったと思って動いたら、ぶり返しちゃうから寝てて」
その言葉に甘えてしまう
三吉さんが隣人でよかったと思う
もし、あのままだったら
私は自殺をしていたかもしれない
「福原さん、これからのことなんだけど…」
自分用のご飯を手に
三吉さんはローテーブルの前に座った
ベットで寝ている私と変わらない目線
三吉さんが何を話すか、正直怖い
でも、いつまでも
三吉さんに甘えるわけにはいかない
「まず、警察に届けない?福原さんは被害者だ。それを無かったことにすると、相手は罪の意識も持たないまま、これからも普通の暮らしをしていくだろう」