私に触れて、そして殺して


仕事?と聞いてきた三吉さんに
あれはバイト先の店長だと言うことを伝えると
そうか、と少し考えている様子


「彼氏、いたよね?頼れないの?」


触れられたくない部分
だが、ここまでお世話になっておきながら
言わない理由もなく
タツヤと先輩の浮気現場を
目の当たりにしたことを伝えると
三吉さんは手にしていた
スプーンを落としてしまった



「…それは、酷い」


『はい、だから親に頭下げて実家に帰ろうか、悩んでます』


うーん、と腕を組んで考える三吉さん
考えてくれている姿を見ると
本当に申し訳なくなってしまう
泣き寝入りでもいいから
迷惑をかけたくない、と言う気持ちもある


やはり実家に帰ろうと
それを三吉さんに伝えようとしたが
三吉さんは何か思いついた様子で
私を見てきた

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