私に触れて、そして殺して
人の温かさ
「大丈夫だよ」
そう言って私の隣に立つ三吉さん
目の前には大きな建物と
今まで無縁だった制服を着ている人たちが
入り口に立っている
昨日、三吉さんと散々話し合った
私は警察署の前にいる
店長を強姦で訴えるからだ
『…行きます』
一つ深呼吸をし踏み出した
何を聞かれても、何を話しても
後戻りはしない
訴えて、私の生活を取り戻すだけ…
今まで良くしてくれた
副店長の奥さんには申し訳ない気持ちがあるが
それはしかたがない、と割り切った
警察署へ行く前に
バイト先だったコンビニに電話を入れた
店長も副店長もいない時間を見計らった
案の定、長年のパートさんが出てくれて
辞めることを伝えると
残念だ、と言われてしまった