私に触れて、そして殺して


一人前になったら店を持つ、なんて
大きな口を叩いて飛び出した私に
地元に帰るという選択肢はない

美容の知識しかない私は
他に就職先も見つからず
コンビニでバイトをするはめに…



「凛子に合う店があるはず。ゆっくり探したらいいと思うよ」



そういってくれた彼、タツヤだ
美容学校で同じクラスになり
意気投合し、付き合うようになった
就職しても
お互いの休みには
できるだけ一緒にいよう、と
お互いの部屋の鍵を持っていた


働き始めて、忙しい毎日
私よりタツヤの方が遅い日が多い
でも、連絡はマメにしてくれて
それが唯一の支えでもあった

仕事を辞めた私は
時間が出来てしまい
寂しさも増していった

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