私に触れて、そして殺して


「ごめん、まだ仕事」

「これから練習」

「コンテスト、近いんだ」



夜は遅い
休みの日も休みでなくなる日も増えた
でも、それもわかっていた
タツヤのことを理解していたつもりだった

でも、それが
タツヤを苦しめていたなんて…



せっかくの休みも
タツヤは店へ行ってしまった
明日は朝からコンビニの仕事がある
遅くなるから待たなくていい、と言われたが
それでもご飯を作り
タツヤが帰ってきたら
帰ろうと思っていた


やはりタツヤは遅く
作った料理も冷めてしまい
ラップをし、冷蔵庫へと入れる
置き手紙を書いて帰ろうとした時
玄関の鍵が解除された

帰ってきた、
嬉しくなり玄関へ向かおうとしたが
聞きなれた声が耳に入ってきた

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