私に触れて、そして殺して


暫くすると
聞こえていた声が途絶えた


終わったのか、と一安心
だが、この部屋から出るまでは安心できない
このまま二人が部屋を出るか
熟睡するくらい眠りについてくれれば
なんとか脱出できるだろう

だが、



「タツヤ…」


先輩の甘い声が聞こえてきた
そういえば
前に話していたことを思い出した

先輩は…性欲が強い


と、いうことは
まだ続くというわけだ
でもタツヤはそうではない
いつも1ラウンドで終わり
例え私が望んでも
無理だ、と断られるのだ

だが、予想は見事に外れる
二人はその余韻に浸りながら
イチャイチャしながら
バスルームへと入っていった


タツヤ…、
女が違うと、こうも違うのかと
ショック半分呆れ半分
今にも笑ってしまいそうになる

もういいや、と
二人がバスルームで
ことを始めたのが耳に入り
私はタツヤの部屋から出た

当たり前だが
大きな音がするシューズボックスを開けて…
多分、二人は夢中で気がついてないだろう

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