私に触れて、そして殺して


いつの間に…
気がつかないほど
私は熟睡していたのかと思う


さて、どうしよう
起きた身体は水分を欲していた
そして、お腹も空いている
さっきのクラムチャウダーを
食べておけばよかったかも、と後悔する



その時、ガチャンという音がした
施錠を解除した音だ
ドアの方を見ると
あの男が入ってきた


「おはよう、サラ」


私をサラと呼び出す男
手にはトレイ


『私はサラじゃないわ』


「出された食べ物は粗末にしちゃダメだよ。今日からは、コレを食べて」



チェストの上にトレイを置いた男
トレイにはコップに入った牛乳とパンだ



『ねぇ、あなたは誰?ここから出して!』


やはり男は私の問いに答えてくれず
私の頬をまた触れ、すぐに離れた

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