春川君に届けっ!私のラブレター♥
「春川君っ、あの、これっ…………あ、あれ?」
ない。ないないっ。
ラブレターが……ない!
カバンにも、ポケットにも、どこにもないっ!
「夏山? もしかして……何か忘れた?」
「えっとー」
ラブレターを、忘れました……。
「アハハ! その様子だと、また忘れたんだなー! 何忘れたの? 貸すよ」
「いやっ、ラブレターはさすがに借りれないし……」
「え?」
「な、なんでもないなんでもない! 大丈夫大丈夫! その、明日でも大丈夫な物だから! ……たぶん」
「そうか?」
「うん! じゃあねっ!」
私は、早々にその場を去った。
春川君ゴメンね。心配かけて。
けどね、春川君にあげるラブレターだから、春川君から借りることは出来ないんだよ。まさか、書いてもらうわけにもいかないし。
明日こそは、忘れないようにしないと!