春川君に届けっ!私のラブレター♥


 ――次の日の朝。


「うん。ちゃんとある」


 カバンの中にラブレターがしっかりと入ってる。

 昨日は不発に終わったから、今日こそはっ!


「おはよ、夏山!」


 ドキッ! 来た、春川君!

 いつものように、廊下でバッタリ。


 ラブレター手渡し、二度目の挑戦!


「おはよ、春川君! あのね、これっ……」


 カバンから取り出そうとしたら――


「あ、春川くぅん。おはよぉ」


 っ! マズいっ!

 一人の女子が、春川君の元に来たことにより、ラブレターを即引っ込めた。


「おう、おはよ」


 挨拶された女子は、嬉しそうに駆けていった。

 危ない危ない。ラブレターを渡すところ、見られちゃうところだった。

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