春川君に届けっ!私のラブレター♥
「……ごめんね。もう出せないや」
「そりゃそうだ。だからいいって。来るの楽しみにしてるから」
「けど……どうして私を好きなの?」
「受験の時から、密かに気になってたんだ」
「気になってた!? 春川君が、私を!?」
「うん。消しゴム忘れてオロオロしている顔が、なんか子犬みたいで可愛いなって。それに、夏山って放っておけなくて。だから」
子犬みたいに可愛いとか、放っておけないとか……そんな恐れ多いこと、春川君から聞けるなんて。
私……マヌケで良かった。
けど、一歩間違ったら手のかかるヤツになりかねないから、これからは少しでも忘れ物をなくすように努力しよう。
「夏山は? どうして俺なの?」
「それは……あ。詳しいことは、ラブレターを読んでくれれば……」
「アハハ、そうだったな」
どうしよ。いきなり両思いだなんて信じられないけど……
夏山柚希、最高に最高でありますっ!
どうかどうか、一日も早く私の想いがつづったラブレターが、春川君に届きますよーに!
と、またポストに向かって拝んだ。