夢かかげる星のエアル






リっちゃん、ショウタ、私。

この三人は、家が近所にあるっていうこともあって本当に小さい頃からの顔なじみだったりする。

…っていっても世間は狭い。

ここらの生徒はほとんどが小学校からの付きあいで、リっちゃんやショウタのみならず、同じくらいに面識があるヤツらはたくさんいるんだけれど。



「今日はミーティングの日なんです~」

「だから早く行きなよ」

「俺部長だし、なんでもオーケーだから。ってのは冗談で、地味に気になるんだよ。進路のこと」



小麦色にやけた肌をポリポリとかくショウタは、おもいきり嫌な顔をする私に真面目そうな顔を向けた。

目に入るのは私の正面の机に置かれている、“青海高等学校硬式野球部”の刺繍がはいった大きな背カバンだ。



「ショウタは体育系の大学進むの?」



そうなんじゃないのかな、って私も浮かんだ疑問。すかさず質問をしたのはリっちゃんだった。



「おう。親父の影響でちっこい頃からやってたしな。やっぱり好きなんだわ」

「へえ~、一直線って感じ」

「マジでそれ。俺、野球してる時が一番充実してんだよ。だから一生やり続けたい。そんで、そもそも好きな野球を一生やるために必要なものってなんだろうって考えたら、スポーツ科の道しかないと思った」



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