夢かかげる星のエアル
「なに、これ……」
そこでまた私は目を見張った。
目の前に広がっていたのは、思いもしなかった光景だったから。
私は、“星”が落ちたと思った。夜空から降ってきた星が、もしかしたら地球に落ちてきたのかもしれない、と。
確かに落ちていた。私の勘は当たって、“落ちてきて”はいた。
—————でも、それは星じゃない。
隕石でも、ない。硬そうな石の塊が転がっているわけでもない。辺り一面が燃え広がっているわけでもない。不思議なことにクレーターができているわけでもない。
ただ、二つだけ。
私の数メートル前には、破損して煙を上げている、見たこともないモデルのロケットと……、そこに倒れている少年のたったそれしかなかったんだから。
「え…?」
私は唖然と突っ立っていた。
真っ暗闇の山の中で、時折ピカピカ電気を発しているロケットと、衝撃で外に投げ出されたのか、地面に倒れている少年を交互に見回す私はかなり混乱していた。
状況が掴めない。
ひときわ輝く恒星だなと眺めていたのが実は流星で、その流星の正体はこの少年が乗っていたロケットだったってこと…?