夢かかげる星のエアル





待って。ちょっと理解できない。

ロケットなんて一般人が乗れるものじゃない。

しかも流星と間違えるほどにすさまじい勢い。まるで閃光のようだった。




もちろんお遊びで飛んでたって、笑い話ができるような軽めなものじゃなかったし、もしそうだったとしても速度が以上だ。しかも、そもそもこの地球でロケットなんてものを飛ばすことができる人は限られてる。

こんな個人的なものじゃなく、もっと公的に。

じゃあ、この人はNASAかなにかの人?





「…じゃない、どう見ても」




倒れている少年は、私と同じくらいの歳に見えた。どこからどう見ても。

こんな若い人間があの宇宙機関に属しているわけなく、そもそもこんなロケットを操縦できるわけない。

それなのに、どうやら、他に操縦者はいないみたいだということにまた驚かされた。つまり、この人が一人で乗っていたことになるからだ。




「ちょっと、勘弁してよ…」




うまく頭が回らない。情報が適格に処理しきれていないのは明確だった。



とりあえず、死んでないよね?

兎に角、私は死体とご対面なんてしたくはないと強く思ったけど、あの速度での墜落じゃ、もしかしたらアウトパターンなのではないかと考えて寒気がする。

光の速さはこのくらいなのかもしれない、と実感できてしまうほどの速さだった。そんなものが墜落したんだ、から。





そう考えておかしな点に気付く。



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