夢かかげる星のエアル
私は、敵対心むき出しの少年のシルバースーツをめくりあげた。
なんでそんなやすやすとできたかというのは簡単。少年は墜落時に相当な重力ダメージを受けて身体が思うように動かせないようだったから。
要は筋肉だとか、そっちの問題。
苦しそうにしていたのそれが原因で、これまたありえないことに外的な損傷はかすり傷のみだった。
「なにをする…っ」
———いや、でも、同年代の男の子の服をめくりあげること自体には、ちょっと抵抗あった。
だってそんな大胆なこと、やったことないし。
引き上げた拍子に見えた割れた腹筋に頬を染めそうになったなんて、こんな緊迫した状況で不謹慎。
だから、ポケットの中に入っていたウサチャン柄の絆創膏を傷口に貼って、すぐにその服を元に戻す。
「ちなみに毒とか盛ってないですからっ…!ほら、証拠に私も」
ーーーーー男の人の身体に触ってしまった。
脇腹の切れた部分に素早く貼り付けた私は、そんなことを思いながら自らの頬にも可愛いそれを貼ってみせた。