夢かかげる星のエアル
目を丸くした。
それじゃまるで野生のキリンだ。さっきからこの人の話と私の話がまるで噛み合わない。
「私、一日……八時間は寝ます」
「八時間……?馬鹿か?そんなことをしたらアノニマスに狙われ抹殺される」
「……まっ……、そんなシビアな!」
「常識だ。生まれながらにして本能に植えつけられる。種の生存のため、ゲオネスの繁栄のために僕はーーーーーそうだ。探査任務は…!」
「………ちょっと待った!!」
嫌な汗をかいた。
まるで常日頃命を狙われているような喋り方だ。だって私の姿を確認しつつも、時折周囲を確認して完全には警戒を解いていない。
本当に、そうすることが身体に染み付いているんだ。日々、命がけの戦い。それ以外の観念はない。
多分、この人はーーーーー。
「僕は探査任務……ああ、そうだ…突如出現したあのワープホールに……」
「聞いてください!!!あの!!」
「そうだ……!!!ならばここは何処だ!お前はあの凶暴なアノニマスではない!奴らがこのような阿呆な口調で話すはずがない!!!」
「ちょっ!阿呆って何よ!!」
「こんな趣味の悪いシールを持ち歩くわけがない!それに何よりあのアノニマスが裸体でないわけがない!触覚もない!」
「趣味悪いって?!ウサチャン可愛いじゃない!!!てかさっきから裸体裸体やめてよ!」
「お前は誰だ!何故アノニマス以外の生命体がいる!」
「こっちの台詞よ!あなたは誰?!!どこから来たの!!」