君といた物語

「はい、じゃあ今日もお疲れさんねー」




ある程度の片付けと掃除が終り



皆、それぞれ更衣室へいき、私服に身を包んだ。



「雨降ってたよー。いつからかしら。」



愛さんが閉店準備をしに外に行ったとき気付いたらしい。



雨は特別嫌いだ。



だってただでさえ右手は視覚障害者用の杖を使っているのに、左手は傘を使わなければいけない。


荷物はリュックサックだから大丈夫だが。


傘を使うことで両手がふさがってしまうのだ。



だからいつも僕は雨が降ってるのを自分で確認はしないと傘は持ってこない。



「祐輔君、傘持ってけー。」



「いつもありがとうございます。」



「おう」



僕が働き始めてから２年がたつ


そんな僕を見て察してくれたのか、店長はいつも僕に傘を貸してくれる。



次からは自分のを持ってこいなど言われた試しがない。


雨降ったら傘を僕に貸す。


これはこの店での恒例のような感じだ。