あの日の私は、
今日は、優人は、用事で一緒に帰れないから、私1人で帰った。
瑠唯も部活で一緒に帰れないし…
つまんないの。
「おい、ばか!」
振り返ると、春樹が自転車に乗って私のことを呼んでいた。
「何よ」
「乗ってけば」
「乗るー!」
私は、春樹の自転車の荷台に乗った。
家まで送ってくれるらしい。
「危ないから、ちゃんと捕まっとけよ」
「うん。」
長い長い下り坂を春樹の後ろに乗せられて、ゆっくりゆっくり下っていった。
初夏の風が私達をすき抜けて気持ちよかった。
「きもちーーーい!」
「だろ?」
私は後ろにいたから、分からなかったけど、きっと春樹はイタズラな笑顔をしていた。
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