あの日の私は、
「…優人?」

風が吹いた時、いきなり彼のことを思い出した。
昔、ずっと一緒に遊んだ、優人に似てる。

彼がゆっくり息を吸った。
「うん。」
「久しぶりだね、七々海」
「ゆ、優人〜」

私は何故だが泣き出してしまった。
本当に久しぶりで。忘れかけてた彼のことも。
高かった声は少し低くなって。ちいさくてでも大きかった身長はずっと高くなっていて…

「これじゃ気づかないよ」
「そうだね」
そういって彼は優しく微笑んだ。
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