子犬男子に懐かれました
こんな事で泣いてたら、営業員失格だよ………。
「う…、悔しい…」
ここまで怒鳴られた事がなかった為か涙が止まらない。
ダメ、こんなんじゃダメっ、泣いてたらダメなのに……っ、
すると、誰かに肩を ポン と優しく叩かれた。
ゆっくり振り向くと、そこには優しそうなおばあちゃんが立っていた。
「泣かないで、これあげるから」
と、私にいちご味の飴をくれた。
「私は、保険に感謝していますよ。主人が亡くなってしばらく経ちますが、あなた達のお陰で、今の生活ができています。 保険に入っていなかったらきっと今の生活はできていませんでしたからねぇ」
そう言って優しく微笑むおばあちゃんに、私はさきほどよりも大粒の涙を流した。