子犬男子に懐かれました
「ほらほら、泣かないで」
「う……っ、あり、ありがとうございます…っ、本当に……っ、ありがとうございます…っ」
おばあちゃんは、私にティッシュを差し出し、その場から離れていった。
「ううっ…」
おばあちゃんがいなくなってからも、私の涙は止まらなかった。
中には、そうやって思ってくれている方もいるんだな、って思うとどんどん溢れ出てくる。
「え………皐ちゃん…?」
この声……
誰かなんて、すぐに分かった。
「何で……っ、いるの?壮介くん学校は……?」
「今日終業式で午前中までだから…」
あぁ…夏休みか、いいな……
あとここは高校付近だから、そりゃあ会うか……