子犬男子に懐かれました



………

……




「うまいっ、皐ちゃんやっぱりシェフになれるってこれ」


チャハーンをもぐもぐと頬張る、いつもの光景。

今日の夜も私の家に遊びに来ている壮介くん。


「せっかくの夏休みなんだから、友達と出かけたりしないの?」


「皐ちゃんといたい」


「……っ、」


思わぬ返答に、返す答えがない。


「だ、だって、高校生の夏休みなんて…男女で海行ったりさ旅行行ったりするんじゃないの?」


「皐ちゃんは俺が女の子達と海に行っててもいいと思う?」


「………別に、いいんじゃない?」


私ってば、本当可愛くない。

別にいいんじゃない?って………本当は少し、少しだけ嫌だと思ってしまっていた。



「あっそ、じゃー、行こうかな」


……え


「水着の姉ちゃん見てこようっと」


「〜〜〜〜〜〜っっっ!」


「ん?」


「バカっ」


私は勢いよく近くにあったクッションを壮介くんに投げつけた。




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