子犬男子に懐かれました
それと…、壮介くんはすごく、すごく、花ちゃんの事が好きだったんだ。
そう思うと胸が苦しくて、
苦しくて、
痛いし辛いーー。
「それで忘れようとしてた時に、皐ちゃんに会ったんだ、道端でね」
「変な事言ってたよね、胸が苦しいとかなんとか……」
「うん。本当に苦しかったんだ、俺が歩くずっと先に花と瀧が歩いてんだからさ」
「よっぽど好きだったんだね、花ちゃんの事……」
やばい、
このままじゃ涙が溢れ出そう。
「皐ちゃん、最後まで聞いて?」
「……」
「公園でさ、俺皐ちゃんに忘れたい人がいて皐ちゃんといると忘れられるって言ったでしょ?
あれ、花の事なんだ……、ごめん。あの時は皐ちゃんを使っちゃったのかもしれない」
……なん、だーー。
やっぱりな。
私はただ、花ちゃんの事を忘れる為に利用されただけ。