子犬男子に懐かれました
あ…でも、
「壮介くん彼女いるよね?いいの?私と会っちゃって」
確か上司と外回りに行ってた時のスイーツ屋さんの前の通りで楽しそうに笑って歩いていた。
凄く可愛くてお人形さんみたいな彼女だった。
「あぁ……違うよ、皐ちゃん。あれ幼なじみ」
「ごめん、彼女かと思った。……可愛いね、幼なじみ」
「よく黙ってれば可愛いのに、って周りから言われてるよ。それほどうるさい奴だよ普段は」
そうやって語る壮介くんの顔はすごく悲しそうだった。
「ほら、明日学校でしょ?もう遅いから帰るよ」
「えー、まだ皐ちゃんと話したいんだけどなー」
と甘えた口調で言う。
「だーめ、私も明日仕事で早いんだから帰るよ」
「分かったよ、じゃあ皐ちゃんの家まで送るよ」
「いいって、私もう大人だから」
さすがに5歳下に送られると悪い事させてるように感じる。
「皐ちゃん、女の子でしょ?
あんまりガキ扱いしないでよ。俺、男なんですけど」
「わ、分かったよ…」
結局、送ってもらうことに。