子犬男子に懐かれました
「壮介くん、そういえば壮介くんの幼なじみと喋ったよ、花ちゃん」
私がそう言うと「え?」と驚いてテレビに向けていた視線を私に向けた。
「私の所の会社のお客様だったの。上司の代わり行ったらそこのお客様が一ノ瀬さんだったの。」
「へ、へぇ〜凄い偶然」
「でしょ?花ちゃんも凄いビックリしてたよ。で、壮介くんが買ってたチョコも頂いたの。仲良しなんだね2人」
ここは敢えて、好きなんでしょ?とは言わなかった。
「まぁ幼なじみだからな!あのチョコ美味いだろ?今度皐ちゃんもお酒と一緒に買った方がいいよ、おっさんみたいなおつまみじゃなくてさ」
「あんたも20歳過ぎたらあの美味しさに気付く時がくるわ!バカ」
そう言って壮介くんの頭をパシッ と軽く叩く。
「しかも、お酒に1番合うんだから」
「じゃあお酒ちょーだいっ」
また頭を軽く叩く。
「いってー、皐ちゃん馬鹿力」
「うるさい!ガキがお酒を飲むんじゃない。20歳過ぎてかーら」
「んな、ガキガキ言うなよなー」
「私から見たらガキですー」
そう言うとフイッ と顔を反らす。
……あ、拗ねた。
こういうところがガキだってば。
そんな姿を見て。思わず笑みが溢れていた。