子犬男子に懐かれました
……やっぱり。
「はいっ、じゃー次香ちゃん歌って」
只今、二次会
やっぱりカラオケだった。
香は呑気に歌ってるし…華金だからってお酒飲み過ぎだよ、あれ。
「ねぇねぇ」
すると突然右にいた男に話しかけられた。
見た目は……爽やかな感じ?
「ずっと話したくってさ、さっちゃん。って呼べばいいんだよね?」
「は、はい…」
香のヤツが自己紹介で、
「この子の事は、さっちゃん♡って呼んであげてね♡」
なんて言うものだから…
何かいきなり初対面の、しかも異性にさっちゃんってなんか…馴れ馴れしくて嫌な感じする。
「大丈夫?楽しくない?」
え……っ、あたしってそんなに顔に出てるの?
ええ、楽しくないです。なんて、言えるわけがない!
「ううん、楽しいよ」
「なんだ、表情が暗いから楽しくないのかと思ったよ」
そう言って男は私の太ももに手を置いた。
「は…?」
これは何ーー?
私が振り向いて目で訴えてるのに、普通に隣の男子と話してるし!
何これ何これ…っ、合コンってこんな感じだった?
「ちょ、っと…お手洗いに」
私はその場から逃げ出した。