毎日、休日。
今日のように仕事で失敗をしたり、嫌なことがあったときには、いつも健人が慰めてくれていた。
どんなに疲れて帰ってきたときにも、健人が包み込んで癒してくれていた。
やっと和香子は、自分がどれだけ健人に依存していたか、今更ながらに思い知った。二人でいなければ生きていけないのは、健人ではなく和香子の方だった。
『愛してるよ、和香子』
どんなときでも、何があっても、そう言ってくれていた健人の声が聞こえたような気がして、和香子は振り向いた。
でも、健人はそこにはいない。
いつも側にいてくれていたのに、和香子は自分からその手を離してしまった。
いくら今更涙を流して後悔しても、健人は帰ってはこなかった。
どれだけ泣いても、一度堰が切れた和香子の涙は止まってくれない。せめて眠ることができたら、この辛さから逃げることもできるのに、眠りも訪れてくれなかった。