毎日、休日。
「こんな面倒を起こしてくれるのは、生徒だけで充分!!もう、いい加減にしてよ!!うんざりなのよ!!」
和香子からいきなり大きな声で罵倒されても、健人はキョトンとした顔をするばかり。
「なんで私が、いい大人の、私よりも年上のあなたの保護者みたいに面倒見なきゃいけないのよ!!だいたい、いつもフラフラフラフラしてるから、こんなことになるのよ!!ちゃんと働きなさいって、いつも言ってるじゃない!!」
これだけではない。和香子は普段から溜まっている不満を、洗いざらいぶちまけた。感情が制御できずに、涙も一緒にこぼれ出てくる。
それでも、和香子は泣きじゃくりながら健人に対して怒鳴ってなじり続けた。
傷だらけで頭には包帯を巻いている健人は、ソファーの肘掛けに座って、和香子の怒りを黙って聞いていた。
何も反論はせず、でも深い眼差しでじっと和香子を見つめて、和香子の気が済むまで敢てサンドバッグになった。
和香子が怒り疲れて、涙も落ち着いてきた頃、健人が立ち上がって、立ちすくむ和香子をそっと背後から抱きしめた。