あの日の夕焼けは…

2人だけの足音が耳に入ってくる。外は携帯を探していたからか、もう夕焼けが見える。そしてあっという間に夜になりそうな雰囲気だった。

コンコン
『失礼します。この手紙を渡されて来ました。』

ドアを開けると中には俺達を含め18人の男女が居た。
みな、親友や幼馴染、彼氏彼女などの関係らしい。学年もバラバラて言うか年齢が違い過ぎる!小学生まで居るんだが…。

『海陽?何でここに?』

『朱理こそ何で?』

『私は皐月と帰ろうと思ったら皐月の携帯が無くてここに呼び出されたってわけ』

『私達も同じ理由……』

『そうなんだ…。えっと、こんばんは浅山さん』

そう朱理が呼んだのは海陽の彼氏の浅山 剣悟(あさやま けんご)である。あんまり話した事は無いが優しくていい奴だ。海陽とは2年ぐらい続いているらしい。

『こんばんは草壁さん』

彼の表情を見るとニヤリと何かを企むような目つきをしていて、寒気がたった。
いつもはそんなことはないんだが…。

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