【短】大好きの一言がほしいだけ。
家まで走った。
玄関でしばらく立ち止まってた。
胸元にあるリボンが今にも解けそうで、それをシュルっと解いてあげた。
簡単に解けたリボンをみた。
何となく恋もこんな感じにあっさりと解けてしまうのかなって。
小さな衝撃でこんなにも簡単に……っ。
頬を伝う涙を手の甲で拭って、お風呂場へ向かおうとローファーを片足だけ脱いだときだった。
部屋中に響くベルの音と私の名前を呼ぶ先輩の声が聞こえた。