君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
カナト…。
今何してるんだろう。

静まり帰った地下は、ひんやりと冷たい空気が立ち込めている。
何の音も聞こえない。
誰の声も…。

あれ。
奥の方からかすかに音がする。

その音は徐々にはっきりと聞こえてきた。

「神楽弥!」

「…カナト?
カナト!」

来てくれた。

ようやく見えたその姿に、柵を掴む力が強くなる。

「無事?何もされてない?」

「うん」

「王子!こんなところで何をされてるんですか!」

そこに、騒ぎを聞いた隊長が駆けつけてきた。
いとも簡単に私の命を奪おうとする人。

今だって、銃を構えて狙ってきそう。
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