君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
足を踏み入れたのは広い会議室。
部屋の中央に大きな机が置いてある。

その上には、机が埋まるほどの地図が広げてある。
おそらく、リンタール王国とその近辺の地図なんだと思う。
何カ所かに赤い丸が付いているのは、暴動があった場所だろうか。

そんな地図から視線をあげ、こちらを睨むように見ているのは、あのときの隊長さん。
その他にも、多くの人が地図を囲んでいる。

威圧感がすごい。
隊長さんだけじゃない。その場にいる誰もが、厳しい表情をしている。

部屋に入った私に向けられる目は、不審者に向ける目そのもの。
王子をたぶらかして、と思ってる人もいるだろう。

そんな嫌な緊迫感が漂う。
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