君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「では、説明はこれくらいにして、実際に国境付近に行ってみましょう」

隊長さんからそんな提案がなされる。

え?国境付近?
それって、今まで散々危険だって説明してた場所じゃない。
それくらいは私でも理解できた。
そんな所に行くの?

話に聞いていただけで、どこか他人事のように思っていた危険が、急に自分に降りかかってくるのを感じた。

ドン。誰かが強く机を叩き、一気に場が静まり返った。

「待った。

そんな危険なことはさせられない」

それまで黙っていたカナトが、声を荒げて口を挟んだ。
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