君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
最後のフレーズを歌い終えると、余韻を響かせるように全体が静まり返る。

そしてすぐに、わーっという歓声がどこからともなくあがる。

すごい一体感。

その光景にぞわりと鳥肌が立つ。
そんな圧倒される光景の中に自分がいるんだから不思議。

じわじわと胸の奥から込み上げてくるものがある。

音楽を皆で作り上げていく感覚を、そして何より、歌うことが楽しいということを私はどうして忘れてたんだろう。

どうして、忘れることができてたんだろう。
< 61 / 173 >

この作品をシェア

pagetop