君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「俺…、神楽弥のこと、早く認めてもらわないとってことばっかり考えて、一人で焦ってた。
肝心な、神楽弥のことは全然考えられてなかったよ。

本当にごめん」

また頭を深々と下げる。

えっと…。
この真っ直ぐすぎる謝罪をどうしたらいいんだろう。

カナトはいつだって、真剣に私と向き合ってくれる。
私が馬を降りてから、今まで、どんなことを考えたんだろう。

何にしたって、ここまで私のことを考えてくれる人なんて、なかなかいない。

そんなカナトの頭に手を伸ばす。

「え…」

いつかやられたのを思い出して、くしゃりと撫でる。

「そんなに謝らないで。
私の為にカナトが頑張ってくれたこと、本当に感謝してるんだから」

城の人たちへの私の説明と、それからの対策で昨日から寝てないの知ってるよ。
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