そういう、関係
思った以上に体は冷えていた。
ソウちゃんの部屋についてから、私は熱いシャワーを浴びて体を温めた。
そのうちどんどん頭が冴えてきて、なんてバカなことをしてしまったのだろう、と益々、自己嫌悪に陥った。
シャワーから出ると、ソウちゃんがホットココアを出してくれた。
除湿モードのエアコンのおかげで、部屋は少し肌寒い。
「そこ、座って。髪、乾かすから」
ソウちゃんは、ドライヤーを片手に、いつものように優しく言った。
--どうしてここまでしてくれるのだろう。
そう思うことが、今まで何度もあった。
前後不覚になるまで酔いつぶれた夜、怒りもせずに迎えに来てくれた。
突然夜中に電話しても、寝ぼけた声で優しく話を訊いてくれた。
「優梨に似合いそうなピアス見つけた」と言ってプレゼントしてくれたこともあった。
ソウちゃんは優しすぎるんだ……。
私にだけじゃない。きっと、誰にでも。
もう解放してあげないといけない、とその時思った。
陽の光のように注がれる、ソウちゃんの優しさに甘えてばかりだった。
もう、こんなの、終わりにしないといけない。