そういう、関係

思った以上に体は冷えていた。
ソウちゃんの部屋についてから、私は熱いシャワーを浴びて体を温めた。

そのうちどんどん頭が冴えてきて、なんてバカなことをしてしまったのだろう、と益々、自己嫌悪に陥った。

シャワーから出ると、ソウちゃんがホットココアを出してくれた。
除湿モードのエアコンのおかげで、部屋は少し肌寒い。

「そこ、座って。髪、乾かすから」

ソウちゃんは、ドライヤーを片手に、いつものように優しく言った。


--どうしてここまでしてくれるのだろう。


そう思うことが、今まで何度もあった。

前後不覚になるまで酔いつぶれた夜、怒りもせずに迎えに来てくれた。
突然夜中に電話しても、寝ぼけた声で優しく話を訊いてくれた。
「優梨に似合いそうなピアス見つけた」と言ってプレゼントしてくれたこともあった。


ソウちゃんは優しすぎるんだ……。
私にだけじゃない。きっと、誰にでも。

もう解放してあげないといけない、とその時思った。
陽の光のように注がれる、ソウちゃんの優しさに甘えてばかりだった。

もう、こんなの、終わりにしないといけない。


< 23 / 27 >

この作品をシェア

pagetop