音を紡ぐ
そして文化祭当日。


コンコンと扉を叩いて朱里が入ってくる。


「おはよう!有紗準備出来てる?」


「おはよう、朱里!大丈夫だよ!早く行こう!」


私達は病院前に来るバスに乗って高校に向かう。


私は久しぶりに外に出れたのが嬉しくてバスの中でもはしゃいでいた。


10分くらいして高校に着く。


朝早いのに学校前はたくさんの人で賑わっていた。


「じゃあ有紗行こっか!まずは私のクラスに案内するね!」


そう言われて後をついていく。


「ここでーす!」


教室の入口に大きくカフェと書いてある。


中に入るとお客さんがたくさんいて忙しそうだった。


「朱里ーーー!忙しいから手伝ってよー!」


朱里が教室の中にいた友達に呼ばれる。


「ごめーん!今行くーー!有紗ごめんね、私手伝いに行ってくる。」


「ううん、大丈夫。私ちょっと回ってくるから。」


「えっ!大丈夫?1人で。」


「うん。大丈夫だよ!後で戻ってくるから、そしたら一緒に回ろ?」


そう言って私は教室を出て斗季君にもらったパンフレットを開く。
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