音を紡ぐ
「・・・・・やっと、俺と同じ気持ちになってくれた。こちらこそ、よろしくな。」
私は涙が止まらなくて斗季の胸でずっと泣いていた。
想いが通じ合うってこんなにも嬉しくて、幸せなんだ。
私は涙が少し収まると斗季の胸から離れた。
「私、今本当に幸せ。斗季といるといつも幸せな気持ちになる。・・・・ありがとう。」
「俺こそ。まさか両想いだなんて思わなかったから。俺だって今凄く幸せだよ。あっ、有紗、ちょっとだけ目瞑ってて。」
そう言われて私は目を閉じる。
空に花火が輝く中、斗季は私に優しいキスを落とした。
唇が離れていくのを感じ目を開ける。
キスの後の余韻が残る。
私は恥ずかしくなって顔を両手で隠す。
「有紗。そんなに隠さないでよ。」
「だめ。今すっごい顔赤いから。見ないで。」
「そう言われると見たくなっちゃうでしょ!」
斗季は私の手を取って私の顔を覗き込む。
「・・・・・・本当に真っ赤だ!あははは!」
「もう!笑わないでよ!!」
「ごめんごめん。ほら、花火も終わったし下に降りよう?」