音を紡ぐ
「じゃあ私からも約束して欲しいことがあるの。・・・・・・・夢を追い続けるって約束。どんなに高い壁があっても、夢を諦めないで追い続けてほしい。1つ夢が叶ったら、また新しい夢を見つけて欲しいの。」


そう、斗季には夢を諦めないで欲しい。


あの3人でこれからもずっとステージに立って、音を心の底から奏でて紡いでほしい。


私はそんな斗季のことを見ていたい。


「分かった。約束するよ。でも、それは有紗も同じだからね。この約束は2人の約束。どっちも夢を追いかけなきゃ。」


「うん。そうだね。2人の約束だね。」


「よし!じゃあ帰ろっか。ほら、」


斗季は私の手を握り直して歩く。


こんなに帰り道が幸せだって思ったのは初めて。


またあの病院に帰るのかって思ったらいつも悲しくなるけど、今日は全然悲しくない。


それは斗季のおかげだ。

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