音を紡ぐ

ケンカ

「有紗ちゃん、診察室に入ってねー」


私は2週間に1度大きな検査をしている。


「有紗ちゃん、久しぶりだね。お祭りは楽しかったかい?」


「はい。とっても!!」


「そうか。じゃあ検査を始めるから看護師さんについて行ってね。」


診察室から出て別な部屋に移動する。


小さい時からずっとやってきたけど未だに検査は好きじゃない。


30分くらいして検査が終わった。


「じゃあ後呼ばれたらまた診察に来てね。それまで、外で待ってていいから。」


「はい。」


この時間が暇なんだよなー。


ドンッ


背中に小さい女の子がぶつかった。


「ごめんね。大丈夫?どこも痛いところない?」


「あっ、ごめんなさい!!」


そう言って謝る女の子の手にはたくさんの絵本。


「ううん、大丈夫だよ。はい、」


「ありがとう///// お姉ちゃんもここに入院してるの?」


絵本を拾ってあげると女の子が聞いた。


私は女の子と同じ目線になって話す。


「うん。そうだよ。あっ、私の名前は有紗。」


「私はなつきだよ!小2!!お姉ちゃんは高校生みたいだね。」


「うん。当たり!!なつきちゃんはどこに行くの?」


「今から図書館に行こうと思って。でも、ここでお姉ちゃんとお話する!!だから、いいかな?」
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