音を紡ぐ
私は夢中になってステージを見る。


こんなに心をつかまれた歌を聞いたのは初めてだった。


ワクワクが止まらなくて、早く次の歌が聞きたいっていう思いが溢れた。


演奏が終わると斗季君はステージを降りる。


私の足は勝手に動いて、ステージに向かって歩き出す。


「斗季君!」


ステージの横にある扉を開けて大声で叫ぶ。


楽器を片付けていた斗季君はびっくりしてこっちを向いた。


「えっ!?有紗、ちゃん!?」

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