音を紡ぐ
よし、私も準備しよ!!


私は朱里のお姉さんの秋っぽいワインレッドのワンピースにヒールの低いパンプスを選んだ。


ワンピースにはフリルの襟が付いていてとっても可愛い!!


バッグの中に薬と財布を入れて病院の前に立つ。


秋の風はちょっとだけ冷たいけど、木の葉がオレンジや赤になっていてとっても綺麗。


スマホを取り出して紅葉をカメラで撮る。


綺麗に撮れた!と思って1人スマホを見て笑っていると、


「ぷっ、あははは!!」


後ろには私を見て笑っている斗季の姿。


「なっ!?来てたなら声掛けてよー!!しかも何で笑ってるの?」


「だって、有紗の顔がコロコロ変わるから面白くて。紅葉撮るのに、角度めっちゃ気にして撮ってるんだもん!」


「もう!ほら、早く行こ!!」


私がそう言うと分かったよと言って私の頭を撫でる。


「今日は電車に乗って行くから。」


「ふーん。じゃあ、行こ!!」


私は斗季といられるのが嬉しくて早く行きたかった。


そんな私を斗季は小さな子どもみたいって言ったけど、嬉しいものは仕方ないよね!


「ほら、そんなにはしゃぐと迷子になりますよ。お嬢さん。」


そう言って私の手を握る斗季。


「ありがとうございます。感謝しますわ!」


「あははは!!有紗面白いね。それに、今日の服可愛いよ。」

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