音を紡ぐ
今まで使ったことない言葉


「私も・・・・・・・愛してる。・・・・・うん。確かにしっくりくる。」


うんうんと頷いていると斗季が笑った。


「凄くロマンチックな言葉なのに、俺たちが言うとその欠けらも無いね。でも、有紗にそう言われて嬉しいよ。」


「うん。私も嬉しいよ。ありがとう、私と付き合ってくれて。」


そう言うと斗季は私を優しく抱きしめた。


あったかくて、優しくて、安心する。


ごめんね、斗季。


もうこんなに心配掛けてしまって。


でも、直接斗季には言わないよ。


何言ってんの!?って拳握りしめて怒るからさ。


ふふっ、それくらい斗季に愛されてるってことだよね。


「斗季、私、凄く幸せ。・・・・何も言わなくていいから、このままもう少し居たい。」


斗季は私の頭を撫でて、分かったと言ってるみたいだった。


「有紗?もういい?暗くなる前に帰らなきゃ。」


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