音を紡ぐ
すると突然廊下から誰かの足音が聞こえる。


「斗季!!どこいるの!!」


朱里の声だ。


「何したの?」


教室の扉を開けると、朱里が走ってきた。


「有紗、有紗が!今有紗のお母さんから連絡きて、有紗、倒れたって。今、治療してるけど、早く行かなきゃ!!」


朱里が焦って上手く話せてないけど、有紗が倒れた?


嘘だろ?


「昴!!朱里お願い!!俺、病院行ってくる!!!」


「斗季君待ってや!!俺も行くけん!!」


後ろから樹哉が走ってくる。


有紗、お願いだから、


何も言わずにいなくなるのはやめてくれ。


まだ伝えてないこと、見てほしいこと、


たくさんあるから。


だから、頑張ってくれよ。


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