音を紡ぐ
そう言って入り口に向かう。


「斗季!!」


私は斗季を引き止めた。


もしかしたら、


もしかしたら、


「斗季。・・・・・・頑張ってね。それと、愛してる。」


そう言うと斗季はちょっとびっくりした顔をして笑った。


「俺も、愛してる。」


そう言って、私にキスを落とす。


今までで一番優しい。


好きだよ。


斗季。


大好き。


夢を、叶えて。


「じゃあ行ってくる。」


「うん。行ってらっしゃい。」


斗季が出ていくのを見送って私は息を吐いた。


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