音を紡ぐ
病室の扉を開くと、そこには朱里が立っていた。


「朱里?有紗は?」


「・・・・・・・下にいるよ。一緒に、行こっか!」


この時、俺は別に何も思わなかった。


診察室にいるんだと思ってただ朱里の後ろを歩いて行く。


でも、


連れてこられたのは・・・・・


「・・・・・・・・・有紗?」


綺麗な顔して眠る有紗は、


静かに眠っていた。


それからのことは特に何も思い出せない。


ただ、毎日ぼーっと学校に行って授業をして。


でも、放課後になると気づくんだ。


「朱里!ほら、行こっ!」


「斗季。有紗はいないんだよ。」


「・・・・・・・あっ。ごめん。」


そんな毎日が1ヵ月くらい続いていたと思う。


でも、ある時朱里に怒鳴られた。


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