音を紡ぐ
中を開くと、たくさんの紙が出てきた。


ざっと20枚くらい。


その中に小さな便箋があった。


中を開くと有紗の字が並んでいた。



斗季へ

突然いなくなってごめんなさい。

今、斗季を悲しませているなら謝ります。

でも、いつまでも悲しんでんじゃねーよ!

朱里に言われたでしょ?

あはははは!!

言われたって顔してるねー。

斗季、そろそろギター弾いてよ。

私が君の隣にいなくても私は上から見てるんだよ。

なんでもお見通し。

だから、早くみんなのところ行って演奏してよ。

音、紡ぐんでしょ?

約束破らないでね?

私、信じてるから。

斗季が夢を叶えるって。


斗季。

優しい君が好き。

一生懸命な君が好き。

頑張れって言ってくれる君が好き。

ギターを弾いてる君が好き。

君の心に響く声が好き。

そんな君を愛してます。

だから、斗季。

走れ!!!

世界で一番君を愛してる有紗より
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