音を紡ぐ
「この後どこか行くとこあるの?」


ハンバーガーを食べながら斗季が聞く。


「朱里と回るつもりだったんだけど・・・昴君と話してるから、まだ決まってない。」


「もしかして、朱里ちゃんって・・・昴のことが好きなの?」


「うん。そうみたい。」


「そっか。じゃあ、俺と回る?俺暇だから。」


斗季が楽しそうに笑って言う。


「いいの!ありがとう!」


食べ終わってお金を払おうとすると、


「俺が出すからいいよ。」


「えっ!でも、」


「いいから。せっかく言ったのに断られたら俺が恥ずかしいもん。」


そう言って私の分も払ってくれた。

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