音を紡ぐ
「・・・・・・・・っ!」


「なんや、斗季君顔赤いで!しかもにやけとるし!」


「うるさい!いいから、早く行くぞ!」


そう言って1人先に歩き出す斗季。


なんか、照れてるのかな?


病院を出て深呼吸する。


やっぱり外の空気は澄んでいて気持ちがいい。


「朱里!ほら、行くぞ。」


そう言って昴が朱里の手を握って歩き出す。


その姿を後ろから見ていた樹哉が2人の邪魔をしに走っていく。


「有紗!俺達も行こっか!」


「うん!」


そう笑顔で言うと、斗季は私の手を握って歩き出した。


そっと斗季の顔を除くと少し顔を赤くしていた。


斗季もちょっと恥ずかしかったのかなと思って笑っていると、


「人の顔見て笑うなよ!有紗だって、顔赤いからね!」


ちょっと拗ねた顔して斗季が私のほっぺを掴む。


「ごふぇん、ごふぇん。ひょっと、はなひぃて。」


ほっぺを掴まれて上手く話せない私を見て斗季が笑った。


私もつられて笑った。
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