音を紡ぐ
「まぁ、1人だけオレンジジュースだったら俺もそうなるかもなー。でもさ、有紗は凄いと思うよ。偉そうなこと言えないけど、弱いところ見せないで頑張ってるでしょ?そういうの簡単そうに見えて難しいから。」


なんで、なんで斗季には分かってしまうんだろう。


私の心を見抜いてしまうんだろう。


「でも、前も言ったけど、そういう時は俺を頼ってよ。今思ってることなんでもいいから言ってみて!」


そう言って斗季は私の顔を覗き込んだ。


「えっと、なんで斗季はそんなに真っ直ぐな言葉を私に言ってくれるの?後、なんでそんなに優しいの?」


「ふっ、あはは!!そんなこと聞かれると思ってなかった!うーん、そうだなー。・・・有紗のこと知りたいって思うからかな。でも、最近分かったことは、有紗は照れると下を向くってこととか、手を繋ぐと恥ずかしそうにするけど、ぎゅっと握ってくるってことかな。」


斗季が話す度に恥ずかしくなって、顔が赤くなっていくのが分かる。


「もう、恥ずかしいからいいよ!」
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