音を紡ぐ
私はテンションが上がって早口で斗季に話した。


「私、昔から音楽が好きなの。J-popも洋楽も好きなんだけど、たまたまテレビで見たバンドに惹かれて、ロックが好きになったの。そのバンドが[Your feather]なの。当時は高校生だったんだけど、3人だけであんなに大きな音を出せるんだって思った。何より歌っている姿に魅了された。自分の中にある音を全部はきだしてるみたいで。そこから好きになったんだ。」


私の話に相づちをうちながら斗季は聞いてくれた。


「ごめんね!なんか、いっぱい話しちゃって。」


「ううん。有紗がこんなふうに自分のこと話してくれるの初めてだから嬉しいよ。」


「・・・・そっか。あっ!あそこだよね!?急ご!」


ステージの周りにはたくさんの人が集まっていて私たちも急いでステージに向かった。


ステージにメンバーが出てくると、会場の熱気は最高潮になった。


「今日は俺達のライブを見に来てくれてありがとーーーー!!!みんなでこのライブを盛り上げて行きましょう!!」


ボーカルがそう言うと周りからは歓声が上がった。


私もテンションが上がってキャーキャー騒ぐ。

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